セルの「表示形式」を自由に作成する
エクセルには数値を計算する関数をたくさん備えていますが、せっかく計算で求めた数値も適切な書式で表示しないと、見難かったりして、上手く活用できません。今回は、必要に応じた、セルの表示形式をカスタマイズする方法を紹介します。
セルに入力された数値がどのように表示されるのかは、セルを右クリックし、「セルの書式設定」を選択すると表示されるダイアログボックスの「表示形式」タブの設定で変更することが出来ます。
「表示形式」でいくつか既に設定されている書式を利用することも出来ますが、「ユーザー定義」にユーザー独自の形式を設定することも出来ます。まずは、「ユーザー定義」をクリックして、どのように形式が書かれているかを見てみましょう。セルの表示形式は、左から右へと「正の数」「負の数」「ゼロ」「文字列」の4つに区分して書かれており、各々、セミコロン( ; )で区切られています。
ユーザー定義で独自の「表示形式」を作成する時に、4つの区分を全て記述する必要はありません。2つの区分だけ記入すれば、前者が正の数とゼロに適用される表示形式、後者が負の数に適用される表示形式となります。また、1つの区分しか記入しない場合、全ての数値において、同じ表示形式が適用されます。4つの区分全てが記入された時だけ、文字列にも最後の表示形式が適用されます。
下記は、標準の表示形式「通貨」の内、負の値が赤色で表示されるものに、「ゼロ」と「文字列」の表示形式を3つ目、4つ目の区分として追加し、改変したものです。正の数を入力すれば、ドルマークで始まり、千の桁区切りとしてカンマが表示され、小数部分も第二位まで表示されます。負の数を入力しても同じ様に表示されますが、赤字で表示されることが異なります。ゼロが入力されると、ドルマークは表示されずに、小数は第二位まで表示されます。そして、文字列を入力すると、入力された文字列が何であれ、「数値を入力下さい」と表示されます。
ここで重要なのは、セルの表示形式を変更しても、セルに入力された値自体には影響が無いことである。例えば、セルA1に「100」と数字を入力する。そして、右クリックして、「セルの書式設定」>「表示形式」タブをクリック、「ユーザー定義」を選択し、「種類」とあるラベル下のボックスに「”エクセル”」と入力して、「OK」をクリックして下さい。
セルには、「エクセル」と表示されますが、セルをクリックしたり、数式バーやF2キーを押すことで確認できるセル内に実際に入力された数値を見てみると、「100」と変わっていない筈です。
エクセルで通常適用されている表示形式は「標準」で、セルに数値を入力すれば、数値としての表示が適切であろうと判断します。また、「10%」とセルに入力すると、エクセルは「パーセンテージ」の表示形式を適用します。ほとんどのケースでエクセルは正しく推量してくれますが、やっぱり、自分で「表示形式」を変更しないといけないケースもしばしばあります。
「表示形式」の4つの区分それぞれで、書式記号を書いていきます。この書式記号でエクセルにデータをどのように表示させたいのかを知らせます。例えば、負の数を括弧付きで表示し、全ての数で小数第二位まで表示する場合、ユーザー定義に「 0.00_;(-0.00) 」と入力します。
もし、負の数値は赤色で表示したい場合、ユーザー定義に「 0.00_;[赤](-0.00) 」と入力します。
この四角括弧 [ ] を使って、数値を赤色にすることを指定しています。
色は、[黒] [青] [水] [緑] [紫] [赤] [白] [黄] の8色を指定することが可能です。
他にも以下の「書式記号」を使うことで様々な表示形式でセルを表示することが出来ます。
数値の書式記号 | |
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書式記号 | 説明 |
G/標準 | 標準の数値表示 |
0 | 1桁の数字を示し、指定した桁数に入力された数値の桁数が足りない場合、足りない桁を「0」で補完して表示します。 |
# | 1桁の数字を示します。# の数だけ桁数が指定し、入力数値の桁数が足りなくても、桁数の補完表示はされません。 |
% | パーセンテージ表示をします。数字を100倍し、数値の後ろに「%」を表示します。 |
, | 1000 単位の区切り記号となります。また、, (カンマ)で終了することで、1000単位の数値で表示することもできます。 |
文字の書式記号 | |
---|---|
書式記号 | 説明 |
$ – + / ( ) : 空白スペース | 数字に混じって表示することが出来ます。この文字以外は、”(ダブルクオテーション)で囲んで下さい。 |
“文字列” | “(ダブルクオテーション)に囲まれた文字列を表示します。 |
* | アスタリスク (*) の後ろにある文字列を、表示されているセル幅に達するまで繰り返し表示します。 |
_ | アンダースコア (_) に続く文字の幅のスペースを表示します。 負の数値を括弧で囲む書式を設定する際、正の数の後ろに括弧の幅の分だけ文字間隔を空け、揃えて表示する為に利用します。 |
@ | セルに入力された文字列を表示します。 |
日付の書式記号 | |
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書式記号 | 説明 |
yy | 西暦の下2 桁を表示します。(例:13) |
yyyy | 西暦を4 桁で表示します。(例:2013) |
e | 年を年号を元に表示します。 |
ee | 年を年号を元に 2 桁の数値で表示します。 |
g | 元号をアルファベットの頭文字 で表示します。(M、T、S、H) |
gg | 元号を漢字の頭文字で表示します。(明、大、昭、平) |
ggg | 元号を漢字で表示します。(明治、大正、昭和、平成) |
m | 月を表示します。(1-12) |
mm | 1 桁の月には 0 をつけて 2 桁で表示します。(01-12) |
mmm | 英語の月の頭文字 3 文字を表示します。 (Jan-Dec) |
mmmm | 英語の月を表示します。 (January-December) |
mmmmm | 英語の月の頭文字で表示します。(J-D) |
d | 日にちを表示します。(1-31) |
dd | 1 桁の日にちには 0 をつけて2 桁で表示します。(01-31) |
ddd | 英語の曜日の頭文字から3 文字を表示します。(Sun-Sat) |
dddd | 英語の曜日を表示します。(Sunday-Saturday) |
aaa | 漢字で曜日の頭文字を表示します。(日-土) |
aaaa | 漢字で曜日を表示します。(日曜日-土曜日) |
時間の書式記号 | |
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書式記号 | 説明 |
h | 時刻を表示します。(0-23) |
hh | 1 桁の時刻には 0 を付けて時刻を表示します。(00-23) |
m | 分を表示します。(0-59) ※ |
mm | 1 桁の分は、0 を付けて分 を表示します。(00-59) ※ |
s | 秒を表示します。(0-59) |
ss | 1 桁の秒は 0 を付けて秒を表示します。(00-59) |
AM/PM | AM/PM 、am/pm 、A/P 、a/p を時刻の書式記号に含めると、時刻は 12 時間表示で表示されます。 |
[h]:mm | 24 時間を超える時間の合計を表示します。 |
[mm]:ss | 60 分を超える分の合計を表示します。 |
[ss] | 60 秒を超える秒の合計を表示します。 |
※ 分を表す m と mm は、h や hh の直後、または s や ss の直前に入力しないと、分を表す書式記号として認識されません。m と mm をこれ以外の位置で入力すると、分ではなく月の形式で表示されてしまいます。
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セルの書式設定
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